IoTでダイエットした話
※タイトルは釣りです
結果
IoTと呼ばれる(?)デバイスを活用して少し痩せました。その辺のお話です。 たいして減ってないじゃん。というのもありますが一応、元が標準体重範囲内なので10kgも減ったらヤバイです。
- 4ヶ月弱で−5kg
- BMI 24 → 22
- 体脂肪量 14kg → 10kg
※実際の期間は6/末〜9/末
fitbit素晴らしい
今回活躍したのはfitbitのAlta HR 心拍計が重要です。これが無いと意味がありません。普段腕時計はしないのですが、これなら小さくて軽いのでなんとか付けられます
※バンドにはS/Lのサイズがあります
心拍計だけでなく、下記の機能があります
残念なのはこのAlta HRは防水ではないので、お風呂までは入れません。
動機
4年ほど前から登山を始めて、当初は登るだけで体重が減ってたのでこれはいいわーと思ってたんですが、昨年あたりから登った後は落ちるものの1週間で元に戻る。という状態で平衡状態となってしまい、なんかないかなーと思ってたところ、超軽くて心拍計も付いてるというAlta HRを買ってみました。
初めにやったこと
まずはIoTの基本「可視化」です。実際の登山にfitbitを付けたまま登り、その心拍傾向を可視化してみました。その結果がこれ。その時のヤマレコの山行記録
結論 → 全然運動してないじゃん…orz
痩せるには有酸素運動が必須です。この時間を長く取ることで脂肪が燃焼されますが、有酸素運動の時間がほとんど無い… 有酸素運動は心拍数が120bpm〜150bpm(個人差あり)の範囲で運動する必要がありますが、実際には急登で心拍数が跳ね上がるだけで持続的な有酸素運動はあまり行われない。という結果になりました。今考えると当たり前なんですが、結局こういうことだったと…
- 登山を始めた頃は、体は出来てないし、動き方歩き方も慣れていないので自然と有酸素運動になっていた
- 2年も登山を続けていると、登り方もわかってくるし、楽に登る方法を自然に身に着けている
- ソロ山行だと行きと帰りの車の運転もあるので、これも考えて体力配分を行う必要がある
- 結果として、体が楽に登ろうとするので必然的に運動強度は下がっていく
可視化した結果を受けて、何をやるか?
有酸素運動を持続的にある程度の時間続ける。となるとほとんど選択肢はありません。
ランニング
or
ジム通い
ジム通いは貧乏性の自分としては却下…
しかし…いやだぁ・・・・子供の頃から走るの苦手(短距離も長距離も)なので、現実から目を背けたい… ウォーキングという手もありますが、中強度(有酸素運動)の効果を手っ取り早く確保するには走ったほうが短時間で済みます。 夏山シーズン中に体力と減量をする必要があるので、仕方なくランニングを始めてみることにしました
目標を決める
さてランニングを始めるにしても、プロジェクトには目標を設定しなければなりません(理系脳)
- 体重を-5kg減らす
- 9月に北アルプスを2泊3日で縦走したいので、それまでに体力をアップもする(体重は減らしつつ、体力アップ)
- ↑登山では1kg体重を減らせれば、1kgの荷物が持てる…(ほんとかどうか知らない)
ランニングジョギング
1年前に買ったシューズがたまたまランニング用だったのでそれで良し。ランニングシャツはユニクロで2,3枚買ってきました。 で、とりあえず会社から帰ってきてからランニングをしてみました
脹脛に痛み!
とにかく走り方がわからない。とりあえず走ってみる。2, 3日走ると脹脛に痛みが出て、2日ほど休む。痛みが引いてまた走る。また痛む。とこれはどうしたもんかなぁ。と思っていたらスロージョギングというのがあるらしい。 ウォーキングよりも運動強度は高くなるので、動画を見てこれを試してみることに
おー素晴らしい。脹脛の痛みも無く走れます。結局このスロージョギングを3週間ほど続けました。3週間くらいすると走るための筋肉も付いてきて、徐々に走れるようになりました。
最初の頃のスロージョギングと、3ヶ月後のランニング比較
ジョギングのメニューは以下
- 最初の1ヶ月は3km、2ヶ月目からは5km
- ほぼ毎日ストイックに走りました(雨の日と山登りに出かけた日以外は休日も)
- 最初はfitbitの心拍計を見ながら、低すぎず、高すぎないように(目安は上が160bpm)
- マラソンに出るわけでもないので、あくまで自分のペースで
- 現在は心拍数よりも疲労が来ないペースに変更
- 最初から最後まで、あと15分は同じペースで走り続けられる状態を保つ
最初の頃 7/9
※本来ピークに入ってはイケナイのだけども、暑いとどうしても心拍数があがってしまう…
自分の場合146bpm以上がピーク
3ヶ月後 9/23
この頃にはピークは意識せず、走り続けられるペースを維持するようにしています。 意外となんとかなるもんですねー。こんなに走れるようになるとは…
同時に行った施策
体組成計
今回fitbitだけでなく、体重計も体組成計にしてfitbitと連携できるようにしました。先に体組成計の方を購入していたので、これから始める人は同じfitbit系のariaにしてもよいでしょう。やっぱり運動と体重の相関をキッチリ可視化することは重要です。これだけでモチベーションが相当違います。
WiFiに対応しているので、乗るだけでクラウドにデータが保存されます。スマートフォンで見られるのはもちろん、fitbitアプリとの連携もできます。
この体組成計で測れるのは
重要視したのは体脂肪率ではなく体脂肪量です。体脂肪率は水分量が多くなって体重が増えると見かけ上は下がってしまうので、絶対値としての体脂肪量を見るようにしました。
筋トレ
大したことはやってません。筋肉量は落としたくないのでランニング後に行っていました(本来はランニング前らしい)
- プランク3分(徐々に時間を延ばして最大3分にしました)
- 腕立て(最初は15回くらいから最大40回に)
食事
食事療法はよくわからないので、少しだけ量を減らすだけにとどめました
- お昼の会社のお弁当のご飯の量を半分に
- 晩御飯は豆腐やサラダなど、炭水化物は(出来るだけ)採らないように
- 晩御飯はジョギング・筋トレ後に
継続してわかったこと
- 筋肉は嘘付かない。継続して運動すると結果は付いてくる(お腹はちゃんと凹んでくる。ジーンズのサイズは2インチ小さくなった)
- 肉だったものが筋肉と肉に分離するのが目視できる(敵が見えるようになる)
- 可視化超重要。毎日続けられるか?はこの可視化とモチベーションの作り方だと思います(fitbitアプリはその辺わりとよく出来てると思う)
- 最初全然走れなかったけど、3ヶ月続ければ普通に走れるようになる
成果
2泊3日で北アルプス表銀座コースを縦走してきました(約44km)。結果的には標準コースタイムの半分近くで歩けました。というかむしろ早すぎた。もっとゆっくり歩いて楽しめばよかった\(^o^)/ www.yamareco.com
まとめ
IoTデバイスでダイエットした話でしたが、実際はIoTデバイスでダイエットしたわけではありません(^^;
- IoTとは可視化の手段である
- 可視化を行った結果、対策の選択肢が増える(今回の場合、ジムに行く、自分でランニングを始めるなど)
- 継続してデータを可視化することでPDCAサイクルをより早く回すことができる
台湾に行ってきました(Computex Taipeiとかもろもろ)
休暇を利用して、台湾へComputex Taipeiの見学およびリサーチをしてきました
Computex Taipei
- ESECやETよりも人は少ないように見える。日程の前半は海外在住者のみ入場可(入場口で揉める某台湾人)
- 規模は東京ビッグサイトの東館全体の3倍くらい(南港の方が人は多い気がする)
- 見て回るだけなら、1日半あればとりあえず回れる。期間中はパスがMRT乗り放題のカードになる
- 出展内容は玉石混交、かつアイテムによって整理されていないので、重要なのがどこにあるか把握困難
- PCメーカのメインは南港展覧館にあり、Intel, acer, ASUSなどがPCを中心に展示している(IntelのReal Senseを使って触れないで操作するデモだけど、そんな大きなモニタキッチンにry)
- 部品としては、ケーブル・電源・キーボード・マウス・スピーカ・スマホアクセサリがほとんどで、どれも同じような物が多い
- スマートフォンは、深センのメーカを中心にいくつかがODMの生産を受け付けている感じ。CPUはMediaTekが多い
- 台湾ではLTEは始まっていないが、4GLTEを謳ったスマートフォンがちらほら
- スマートウォッチ系もたくさん出ていた。しかし中身は「万歩計」付き「時計」というのがほとんど...(これはE-inkのタッチパネル)
- 「Android Wear」と大々的に書いてあるブースに行ったら、完全なコールドモックだったよ/(^o^)\
- ハードウェアばかりで、ソフトウェア系はほぼ皆無(当たり前だけど)
- 展示側からすると、MOQいくつでいくらで買う?くらいの商売しか考えていないような感じ
- ドラレコがかなり出ていた。HUDもチラホラ。GoProのパクリのような物も。自動車関連製品の安いのはここから輸入されるような感じがする。実際、台北のタクシーはほぼ100%ドラレコが付いている。光華商場でもドラレコはかなり売られていた(バックミラーの下に付いてるのがドラレコ)
- ITRIのGoogle Glassのようなもの。3Dプリンタとボンドで作られたワンオフものらしいw(本人談)
まとめ
方向性や情報収集が目的なら数年に1度行けば十分かと。自分たちの戦略があって、何が足りないか探しに行くにはいいかもしれない。 がっつり商談するか、現地にコネがあって、いくつか会社をハシゴするのが現地周り的にはヨサゲ
マスプロダクトなハードウェアは台湾や中国から日本に入ってくるけど、今のkickstarterのような新しいニッチなハードウェアは中華圏からではなく、むしろ先進国から産まれてくるということを認識できた。マスなハードウェアは箱でしか無く、これからのハードウェアはネットワークとの連携でむしろソフトウェアが重要視されるため、今までの流れが変わりつつあるように思える
台北市内
収入格差が大きくなっている感じ。昔よりも高級車が増えた。台北市内の土地が高騰していて、軒並み億の値段が付いているとのこと。実際、天母の建築中のマンションは10億らしい。あまりに高いのでむしろ東京の土地を買いに行く台湾人もいるとか。この土地の高騰はバブルっぽい感じがする。一般の人が普通に投資してる。中国の資金が流れ込んでるのか、中国の経済崩壊が起きたら巻き込まれる可能性がありそう(証券会社に集まる人々。取り付け騒ぎかとオモタ)
- 台北駅の少し南の風景、だいたいこんな感じ
- 老若男女みんなスマートフォン、老齢になると大画面のを使っている。みんなそれで写真撮ってますが使いこなしているのか?
- iPhoneは見たところ10% 〜 15%程度、ほとんどがAndroid端末
- バスこんなに走ってたかな...高速道路でも一般道でもトラックはあまり多くない
- 暑いからか、ショートパンツの女性が多い
- 鼎泰豊あいかわらず美味しいです
- ハローキティがあるゆる場所で仕事してる
- ユニクロは日本のほうが安いw
- LINEユーザ多い、そこら中でピコピコ音がしてた
- 光華商場はそれほど安くない
- ヤマト運輸が制服とかも日本とほとんど同じっぽい感じだった
- 足裏マッサージは痛くなかった。足裏+脹脛で50分2000円くらい
- 教室は円形に並べられてた。これは最前列ツライw
新竹 ITRI
今回、某台湾人の計らいで新竹にあるITRIに行ってきました。日本で言うところの産総研と言った感じ。台北のFabLabとかとリンクしないのかなーとか思ったりしたけど、台北からバスで1時間と離れているので難しそう。
- 中でやってるのを少し見せてもらいましたが、ソフト・ハードともにやってる模様
- 災害時にスマホから写真を撮って、投稿するとマップに表示されるシステムとか作ってました。たぶんこれ。これってセカイカメry
- その他独自アーキテクチャCPUとか、UI/UX研究とか
- 中の人たちは箔付けのために転職してくることが多く、早ければ数ヶ月で大手メーカへ転職してしまうらしい
観光地
前回台湾に行った時に、故宮などの有名どころはひと通りいったので、今回はちょっと違うところへ行ってきました。車で回ったのでだいぶ楽でしたが普通だとかなり面倒な場所かもしれません。観光地は中国人と韓国人がバスツアーで回っているらしくかなり多いです。日本人は最近は個人ツアーなのかもしれません。そういえば彼らはみんな高いデジタル一眼を持っているのですが、日本で流行りのミラーレス一眼ではなかったですね。なんででしょう
- 野柳地質公園は奇岩の公園。かなり観光地として人の手が入ってしまっていて微妙...
- 平溪線はノスタルジックな感じで良い。鉄道好きならなお楽しめる。今回は車で行ったけど、電車の方が楽しそう
- 十分瀑布は台湾のナイアガラらしいです。日本のナイアガラの吹割の滝よりはマシです(^^;
歩いて行く隣には平溪線が走っている
まとめのようなもの
たまーに海外行くと、色々現地の事情とか見られてやっぱりいいですね。今回は現地で某ニセ台湾人に案内してもらったり、たまたま現地にいた某スマートグラス関係者と情報交換したりできました。何年か前に台湾に行ったこともあって、時間の流れとかトレンドの移り変わりも見えてました。Computex Taipeiとかのキッカケが無いとなかなか行けないので、ちょうど良い機会でした。次は何年後に行こうかなー
スキーとGoProとウェアラブルの関係を考える
初めての趣味でのエントリになります。
今シーズンは週末に冬山に行くことが多いです。スタッドレス買ったので勿体無いというのもありますが。一昨年にGoPro Hero2(今はHero3)を買ってからスキーの時に持参して撮影をしてみたりしてるので公開してみようと思います。
GoProのアタッチメントはヘッドストラップでこんな感じ
まずは動画を公開。場所はオグナほたかスキー場のゲレンデトップから第6ペアリフト沿いのコースを滑ってます。1本目は割りとゆっくりめでウェーデルンで速度を調整しています。2本目は同じ小回りですが、こちらはずらさずカービングターンでスピードを殺さずに滑っています。違いがわかるでしょうか?
ウェーデルンで滑走
カービングで滑走
撮影した斜面を下から見るとこんな感じ。最大斜度は約20度ちょっとくらい
GoProとは
GoProは今は「アクションカメラ」というジャンルを確立した「デジタルカメラの派生」で、JVC・ケンウッドやソニーが対抗機種を投入して盛り上がっています。GoProの成功に関してはこちらの記事アクション・カメラの代名詞「GoPro」誕生秘話が創業者へのインタビュー映像で明らかに
個人的にGoProの登場時に凄いなと思ったのは
- LCDレスなどの従来のデジカメにあった機能レスの割り切り
- 広角でかつ、映像自体がかなり綺麗に取れる
- 天候に左右されないレンズ性能とハレーションの少なさ(逆光でも白飛びしない)
- 各シーンに合わせたアタッチメント
購入してから性能的には満足していますが、一方でいくつか不満点もあります(ただしHero2に限る)
- 電池持ちが悪い。8GBのSD差しても意味ない...(´・ω:;.:...
- ボタンの反応がわかりづらい。音がするものの、もうちょっとなんとかならんの・・・
- 手ぶれ補正が欲しい(スキー動画揺れすぎ)
ウェアラブルデバイス
自分が思うにGoProは「ウェアラブルデバイス」です。スポーツという制限化の中で、身に付けることによって従来撮れなかった映像を撮れるのです。スキーの場合は両手が塞がっているので、こういう場合に非常に便利です。
ウェアラブルに必要な要素として
- 必然性
- ファッション性
だと思いますが、GoProは「スポーツという制限化での必然性」があります。この例はGoogle Glassが遠隔手術に使われたり(Google Glassで手術をライブ中継、教育効果に期待:米大学病院)、Kinectが手術の病巣カルテをジェスチャーで操作する(Opect)どちらも必然性があって、制限化での活用が非常に有効です。またどちらも一般の人にとっての日常ではなく、非日常な利用です(Google Glassの発表の時は飛行機からパラシュートで飛び降りてくるというアクションカメラ的デモであって、実はなんの日常的な必然性は無い...)
一方で我々がウェアラブルとして身につけているものは
- 眼鏡
- 腕時計
- 指輪・ネックレス
- 帽子・手袋
どれも今は必然性よりもファッション性が重要視されている製品です。眼鏡は目が悪い人にとっては必然ですが、ファッション性が重視されてますし、腕時計は昔は正確な時間を知ると言う意味で必然性がありましたが、今はファッション性の方が高いですね。指輪は元来、魔除けや魔力を身につけるといった必然性から生まれたもののようです。帽子・手袋は防寒の必然性もありますがファッション性もあります。
ウェアラブルデバイス百花繚乱の昨今ですが、ウェアラブルは「必然性」ありき、後「ファッション化」するのものではないのでしょうか?今のところ「日常の必然性」を具現化したウェアラブルデバイスは難しいのでは?と考えています。自分としては「非日常シーンでの必然性」を具現化した「面白いウェアラブルデバイス」が出てくることを期待しています。
インターネットとハードウェア
組込みプログラミングの必要性
プログラミングというとPC上でのプログラムが普通ですが、最近感じているのは組込み系のプログラミングの重要性です。単に組込みプログラミングというだけではなく、デバイスとネットワークを扱うためのプログラミングと言ったほうがいいかもしれません。
理由は下記の通り
- 身近なものがインターネットに繋がる、モノのインターネットではデバイスを扱うことが必須
- 子供の頃から見たり触れたりするのは実体のあるデバイスであり、プログラミングは実体のあるデバイスを動作させることで興味を持つことができる
- 組込み系のデバイスのプログラムが書けるのは、おっさんばかり。若い人はこれが出来ると需要がありそう
- ハンダ付けや簡単な電子回路の知識もついでに身につく
とはいえ、最近のデバイスはそこまでの知識が必要なくてもハードウェアを叩けるようになってきているので、まずはそこから始めるのがいいでしょう。
何から始めるか?
Arduino
言わずと知れたプロトタイピング用デバイス。IDEもありC言語ライクに書ける。情報も圧倒的に多くとりあえず始めるならコレ。ただしネットワーク周りはやや貧弱で、イーサネット対応しようとするとコストが高く、別の選択もあり
Raspberry Pi
最近流行りの小型PCボード。拡張性は低いけれどもGPIO周りは多くの情報があり、Linux扱える人ならなら敷居が低い。ネットワークも普通に使える(実際には組み込みボードとは言い難い)
Espruino
JavaScriptで書けるデバイス。Web系の人が入るには良さそう。KICKSTARTERで募集中(2013/9/1現在調達達成)。ポチった
TESSEL
こちらもJavaScriptで書ける。WiFIを搭載し、Node.jsも動く。こちらも購入予定
「モノのインターネット」を考えると、今流行のArduinoでは限界が見えている気がします。もう少しリッチなデバイスで、かつArduinoの手軽さでネットワークが扱える。というのが求められているのでしょう。後者の2つはそこを狙っているように思います。ルネサスからSAKURAボードというArduino互換に近いボードが出ているのですが、僕が使った感じではTCPライブラリに問題があるようで(TCPをクローズしてくれない)、ネットワークを扱うのは避けたほうがよさそうです。
ARMマイコンを使えるように
もっと簡単にレゴロボットでプログラムを学習しよう。とかいうのも導入的にはありだと思いますが、やはりゴールはCPUアーキテクチャやメモリマップ、レジスタ制御などをきちんと理解してプログラムが書けるようになっておきたいものです。というわけで、個人的に最近使っているArduinoに限界を感じたためARMマイコンの勉強を始めました。ゴールはCortex-Mシリーズを使えるようになること。昔はSHマイコンでμITRONとかやっていたのですが、すっかり錆びついているため思い出しながら始めます。
- ARM32ビットマイコン電子工作キット まずはこれから。DIPタイプのARMマイコンが付属している。アーキテクチャなどの記述もあるので、再入門に良さそうなので購入済
- LPC1768-Xplorer Cortex-M3マイコン。上記セットを学習した後購入予定
おまけ
ThinkITさんで、「Raspberry PiとNode.jsで作る独立稼働モバイルサーバ」という記事を書きました。Raspberry Piを使ってNode.js + ハードウェアでサーバ型カーナビを作る。というものです。
AndroidやiPhoneがもたらしたのはスマートフォンだけではなく、32bit組込みマイコンのコストが下がり、LinuxなどのリッチOSが載るようになりました。Arduino, Raspberry Piそしてこれから出るであろう様々なデバイス。インターネットとハードウェアの融合はこれからが楽しい時になりそうです\(^o^)/
いわゆる普通の人が職を失う可能性
先日読んだ本「「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト 」で、非常に興味深い部分があったので紹介します。
- 作者: 酒井穣
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/01/16
- メディア: 新書
- 購入: 28人 クリック: 509回
- この商品を含むブログ (82件) を見る
普通の仕事をしている人が職を失う
この本によると、
グローバル化によってアウトソースを受ける方も、最も優秀な人材はよりクリエイティブな仕事に就くため、 アウトソース用に確保できる人材はあくまでも平均的な職務能力を持っている人材がメインということになる
なぜそうなるか、この本ではこう書いています
海外にアウトソースをする企業からすれば、最も人員数が多い層(平均的な職務能力を持っている層) をそっくり海外に任せることができるし、アウトソースを受ける方からすれば、確保が容易な層に注文が集中することになる
図で書くとこのような形になります(もちろん、こんな綺麗な正規分布にはなりませんが)
これは、平均的な能力を持っている人たちの仕事こそがアウトソースされることを示しています。確かに最も人員が居てコスト高の普通の仕事を、まるごと海外にアウトソースすることで、コストダウンを行う。企業的には最もな戦術です。もちろん、日本の平均=海外の平均にはならないかもしれませんが、構造的にはだいたい合っているのではないでしょうか?そしてこれがまさに現在進行形なのが今の日本の構造になります。海外アウトソースじゃなくても、他社へのアウトソースは進んでいたりします。
真ん中の平均的な能力の人たちはどうすればいいのか?
- 職務能力を高めて「勝ち組」をめざす
- キャリアをあきらめつつ、自分の能力以下の仕事に甘んじる
もっとも後者の方は悪い意味ではなく、別の人生の目標を定める。ということになります。ただし、このアウトソースの領域は左右へ拡大していきますので、左方向への選択をする場合には将来的に厳しい場面になる可能性があります。
まとめ
スローライフを選択したとしても、会社以外での「学習」は大事になるはずですし、もしかしたらそっちが本業になって稼げるようになるかもしれません。つまり、左右どちらを選択したとしても人生的には学び続ける必要があります。
何年か前に「女王の教室」というドラマがありましたが、その中でこんなセリフがありました
(進藤「どうして勉強するんですか、私達。この前先生は言いましたよね。 いくら勉強して、いい大学やいい会社に入ったって、そんなの何の意味もないって。 じゃあどうして勉強しなきゃいけないんですか?」)
「いい加減目覚めなさい。まだそんなこともわからないの? 勉強は・・・しなきゃいけないものではありません。したい、と思うものです。 これからあなた達は、知らないものや、理解できないものに沢山出会います。 美しいなとか、楽しいなとか、不思議だなと思うものにも沢山出会います。 そのとき、もっともっとそのことを知りたい、勉強したいと自然に思うから人間なんです。 好奇心や、探究心のない人間は人間じゃありません。猿以下です! 自分達の生きているこの世界のことを知ろうとしなくて、何が出来ると言うんですか? いくら勉強したって、生きている限り、わからないことはいっぱいあります。 世の中には、何でも知ったような顔をした大人がいっぱいいますが、あんなもの嘘っぱちです。 いい大学に入ろうが、いい会社に入ろうが、 いくつになっても勉強しようと思えば、いくらでも出来るんです。 好奇心を失った瞬間、人間は死んだも同然です。 勉強は、受験の為にするのではありません。立派な大人になる為にするんです。」
僕たちはいったいいつになったら立派な大人になれるんだろう・・・(^^;
MAKERSとかAndroidとか
Android Advent Calendar 2012 17日目(12/17)の表担当@tomo_watanabeです。
17日目裏の担当は@Toro_kunさんです。
MAKERSとかAndroidとか
今回は最近話題になっているMAKERSとかAndroidとかを考えてみようと思います。
Androidってどんな位置付けだっけ?
ってことで独断と偏見で下記のように置いてみました。仲間違いが居ても気にしないように。
Androidが出たときは、モバイルとしてはiPhoneとWindowsCE(当時)くらいしかありませんでしたが、昨年辺りからFireFoxOSやTizenといった新しいモバイル技術がHTML5を後ろ盾に来年あたり注目を浴びそうな気配がします。こういった新しいモバイルはiPhoneとAndroidから始まり、今後も楽しみな分野です。
さてこうなってくると、縦軸を整理してサービスやプロダクトを開発するという動きが出てくることになります。今はままだiPhoneやAndroidのアプリやWebアプリが中心ですが、Webとデバイスを繋げるようなプロダクトが今後多く出てくると予想されます。
Androidを取り巻く環境の変化
最近話題になっている「MAKERS」では、自分で欲しいものは自分で作る的な流れから、グローバルニッチな製造業の出現を予想しています。この流れはおおよそ合ってると思いますが、それが直ぐに来るのか?あるいは5年後になるのか?という感じでしょう。方向としては新しい製造業が生まれる機運があるとしたときに、Androidをやるメリットがあるのか?先日行われたMaker Faire Tokyoを見てきた感じでは、数年前はMacを使ったプロトタイプが多かったのが、ここ最近は電子工作そのもので、よりプロダクトに近いもの。Arduinoを使ったプロトタイプっぽい展示が多くなってきた気がしました。個人的にはMacを使っていた部分がAndroidに置き換わって行くのではないかと考えていたのですが、ここへきてプロトタイプはマイコンで、製品は電子工作で行うという流れになっているように感じました。
MAKERSとAndroidと
では将来的に見てAndroidをやる意義はあるのでしょうか?ちょっと乱暴な図を作ってみました。
Webとモバイルとデバイス。これらをプロトタイピングするには、iPhoneやAndroidの技術は欠かせません。ハードはArduinoを使えばプロトタイプ作成などは十分可能です(プロタイプ軸)ただし今後注目されそうな分野、HTML5や自分で造るデバイスなどをやるとすると、電子工作・回路のレベルでの技術が必要になってきます(MAKERS軸)いずれにしてもモバイル技術はこれからも中核になる技術として必要であり、AndroidやiPhoneのアプリが作れるというのは必須技術になってきています。その上で、HTML5やハードを学ぶという...いや結構大変な気がしますが、これらの分野のうち2つについてはある程度のスペシャリストとして技術を身につけることが重要になってきます。
それでもAndroidをやる理由
ハードを勉強しようとすると電子回路に手を出すことになります。AndroidではADKという拡張機能を使ってArduinoと連携することがかなり容易にできるようになっています。ハード寄りの人はAndroid + Arduinoで何か作って、クラウドと連携を行うという課題を立てればWebとの連携を勉強できます。Androidを学習することはこのように周辺技術を上手く取り込み学習することができるメリットがあります。
まとめ(オチ)
デバイスの連携としては実は現状ではiPhoneの方が面白くなりそうだったりします。Bluetooth4.0(Bluetooth Low Engergy)にiPhone4Sから対応しており、対応ハードもチラホラ出て来ています。Arduino対応のシールドも出てきそうですし、今後はBLE対応が注目です。BLEやりたい人はiPhone4S以降を買いましょう(あれ?
"Google Android"はGoogleの管理下で、彼らの市場はグローバルマスであり、グローバルニッチではありません。そのためGoogle Androidをそのまま使うことは難しく、今後AOSPを使うのか?他の選択肢があるのか?というのが課題になりそうです。
個人的に、来年はGoogle本社に行ってグーメン(元記事なぜか削除されてる( ゚д゚))してきた村上総裁が「Androidもうええねん」という本を出版して
総裁「諸君らが愛してくれたAndroidは死んだ、何故だ!」 はまっつ「坊やだからさ・・・」
というやりとりが行われるとワクテカして、今年を締めくくりたいと思います。
グーメン
「MAKERS」の意味するところ
書籍「MAKERS」がかなり話題になっています。読んだ人も結構多いと思います。というか、これは必読本でしょう
「MAKERS」のザックリした内容
たぶん、だいたいこんなことが書いてあります...
- 3Dプリンタが凄い、これは流行る
- 誰でもハードウェアを作ることのできる時代になる
- ソフトウェアと同じようにハードウェアも自由化される
- 資金はクラウドファウンディングなどの方法で集められる
- 大量生産品ではない、小ロット生産がビジネスになる
「MAKERS」は日本で流行るのか?
MAKERSの内容は事実をもとに書いているだけあって、非常に現実味があり、製造業がほとんど無くなったアメリカでは、本の内容のように市場が立ち上がる可能性が高いと思います。
本を読んだ人は「じゃあ日本はどうなんだ?」と考えるでしょう。この問いに対する反応は結構面白く、聞いてみるとおよそ
- ハード知らない人「これは凄い!絶対来る!」
- ハード知ってる人「日本では難しい、おそらく無理」
僕もハードの複雑さや品質の安定の難しさを知っているので、日本ではハードを軸にしたMAKERSの流れは、実は結構難しいのではと思っている派です。しかし、下記にあるような「初音ミク」に当たる「強力なコンテンツ」の出現があれば、面白いことになると思います。
今の時代の背景にあるもの
一方、今は絶賛ソフトウェアの時代で、すでに誰でもWebアプリを公開したり、ソフトウェアを販売できたりできています。MAKERSの流れで押さえておきたいのは、初音ミクがブレイクした「ボカロ」の影響です。
ボカロのお陰で
つまりは、音楽作成という分野においてはすでに「MAKERS」のようなことは起きていると考えられます。しかし、誰でも作曲ができることにはなったとしても、誰もが作曲家になったわけではありません。ただし、曲を作るという行為が自由になったおかげで「曲を作るプロセス」を楽しむことができるようになりました。
「生産消費者(プロシューマ)」
このプロセスを楽しむというのは、アルビン・トフラーの言う「生産消費者」に当たります。
生産消費者というのは、ただの「消費者」ではなく「消費者」であり「生産者」であるような人たち、つまりボカロが発売され、それを使って曲を作り発表・販売できるような人たちのことです。時代としては、生産消費者の時代であり、その流れで起こっているのがMAKERSと考えると理解しやすい気がします。この生産消費者を相手にする市場は大きくはありません、MAKERSでも同じですがグローバルニッチです。
MAKERSの意味する所は「プロセスのビジネス化」
僕がこの本を読んで感じたのは「プロセスのビジネス化」でした。今の世の中のトレンドは
- 大量生産・大量消費はすでに先進国から途上国へシフト
- 時間とお金がある人たちは、手間を掛けてでも人と違うものが欲しい
これは、マズローの欲求段階説を考えるとわかりやすく、人として安定した生活を送れるようになると「自己実現の欲求」が現れてきます。自分で「ある程度の手間」を掛けることに糸目を付けないというか、むしろそれを「楽しむ」という「創造性欲求」を満たすことになります。
ボカロにせよ、MAKERSにせよ、自分の欲しい物を「ある程度の手間(プロセス)」に対して対価を支払い、それを手に入れるというような流れが今後少しづつ出てくるように思います。ここでビジネスになりそうなのが「プロセス」自体を「ビジネス」として提供することが可能になるのではないか?ということです。
例えば
- 好きなキャラクターのフィギアを、ポーズや場面、表情までも発注する時に指定可能で、それを自分で組み立てる製品。もちろん組み立て説明書付き(自分専用プラモデルのようなもの)
- 部品の発注から行い、自分で組み立てる車(これはすでにある)
これらの消費者ターゲットは当然ながら、やや富裕層であり、マニア層になることになります。今までのマスマーケットではなく、グローバルニッチあるいは、ローカルニッチでのビジネスが主眼になるでしょう。
「でんかのヤマグチ」というお店がありますが、この記事にある
IHクッキングヒーターの購入客だけの料理教室を開くなど、お得意様を徹底的にフォローしている。
というのは、商品に対するアフターケアとも言えますが、製品としてプロセスの価格を乗せてを提供している。と考えることもできます。
まとめ
- 「MAKERS」は単なるハードのオープン化の話ではない
- 「マスマーケット」から「グローバルニッチ」へ
- 生産消費者をターゲットにするプロセス型ビジネスが見えてきた
- ユーザの創造性を高めるような製品開発が求められる
実はこれって日本が得意な分野なんですよね。いわゆる「おもてなし文化」です。これからの時代は、人が「便利と感じる」製品ではなく、人が「幸せを感じる」製品が徐々に押し寄せてくることになります。一歩下がってもう一度、製品開発とは何か?を考えなおすいい本を最後に紹介します。これは「日本」という国をベースに考えられた良書だと思います。MAKERSと合わせて読むと面白いです。