家電産業の崩壊シナリオ

【津山恵子のアメリカ最新事情】テレビ、パソコンの役割終わる―スマホとタブレットに

を読んで浮かんだ、家電産業崩壊のシナリオ

主題は

テレビ番組の受像機としてのテレビと、そして数多くのソフトウエアを楽しませてくれた従来のパソコンが「主役」ではなくなることは、もはや決定的となった。そして、家電のトレンドは、スマートフォンとタブレット端末に向けて、急速に動いている。

 であり、これは日本のような先進国では当然実感していますが、気になったのはその後の記事で

また、先進国での家電売上高は伸び悩むのに比べて、アジアや中南米の新興国の伸び率は2桁増が続くという「別の交代劇」も明らかになった。例えば、北米での売上高の伸びは11年推計で5%だったのに、12年見通しはゼロに。同様に日本、韓国などアジア先進国の伸び率は2%から5%減となる。これに対し、アジア太平洋の新興国は17%から18%となる。中南米は18%から9%と伸びは減少するものの成長としては好調だ。

家電売れてるみたいですね。これは喜ぶべきことなのでしょうか・・・?また

この傾向は完全に定着し、家電メーカーが力を入れるべき「主戦場」は、先進国ではなく新興国だ。

これは「今」の時点では間違いないです。この家電産業ビジネスモデルはおおよそ以下のようになっていると思います

  1. 日本国内(先進国)向けに新しい製品を発売
  2. 価格が落ち着き、海外での生産品質も上がり、VAによってコストダウン
  3. 新興国向けに輸出(現地生産

投資の回収ができるのは2から3の頃になり、それが次の製品の原資や研究開発費としてお金が回るようにな仕組みになっています。日本ではちょっと前のモデルで売れ筋ではない家電製品が海外で意外と売れてたりするので、たまに驚くことがありますね。

さて問題は、潮目が「家電」から「情報デバイス」にシフトしていることです。家電は基本的にはスタンドアロンで動作するため、地域差が多く、様々な形で販売できます。改良で安く作ることもできる、いわゆる「タイムマシン経営モデル」が有効となっていました。

ところが「情報デバイス」になると、欲しいのは「情報」であり「デバイス」ではなくなってきます。情報はタイムマシンではなくリアルタイムです。「情報デバイス」が先進国から新興国に売れるようになったら、2世代前や3世代前のデバイスを購入するとは思えません。新製品の情報はリアルタイムに「情報デバイス」を伝わって広まるため、先進国と同じようにネット通販などにシフトしていくことにより、全世界で画一化した製品(例えばAppleなど)の方が有利に働く可能性が高いと思います。グローバリズムによって、今までの「家電製品」は淘汰され、「情報デバイス」としてグローバルに新製品を一気に展開できる会社のみが「家電産業」から「情報デバイス産業」への移行で成功できることになります。もちろんAppleが一番近い位置にいるのは明白ですね(^^; 残された時間は少なくなってきました。頑張れ日本メーカー!