メーカ各社の平均年齢を調べてみた
心おきなく新卒採用カットできるお役所と、老いてしまったパナソニック
を読んで、メーカ各社の平均年齢を調べてみました(データ元はYahoo!ファイナンス)
社名 | 平均年齢 |
---|---|
トヨタ | 38.3 |
ホンダ | 43.3 |
日産 | 42.4 |
デンソー | 40.4 |
アイシン | 36.0 |
ソニー | 41.0 |
パナソニック | 44.6 |
東芝 | 41.3 |
日立 | 39.9 |
JVCケンウッド | 43.0 |
NEC | 40.7 |
富士通 | 41.7 |
シャープ | 41.5 |
パイオニア | 40.4 |
ざっとこんな感じで、確かに40歳超えてるところが多い。
次にスマートフォンで盛り上がってる通信キャリアは
社名 | 平均年齢 |
---|---|
ドコモ | 38.6 |
KDDI | 40.6 |
ソフトバンク | 37.6 |
結構、メーカとどっこいどっこいですね(^^;
一方で最近伸びているソーシャルゲームなどのITサービス業系を調べてみると、
通信キャリアの平均年齢が高く、ITサービス業が若いですね。これは数年後にはキャリアよりもITサービス業が強くなり、通信キャリアを抑えてくる可能性があるということかもしれません。
重要なのは、ITサービス業とメーカ各社との平均年齢差は約10歳もあるという事実・・・・私がメーカに就職した20年ほど前は、確か平均年齢は35歳くらいだった気がします(つまり今の雇用体系が変わらなければ、今メーカに就職して40歳になるころには平均年齢が50歳代に届くかもしれない。という驚愕の事実)今の30代は就職氷河期でしたから、メーカにも人材は多くありませんし、優秀なソフトウェア人材はITサービス業へ流れているというのがこの結果からもわかります。(キャリアはメーカと同じような平均年齢ですが、海外勢と勝負することが少ないから業績的にはいいのでしょうか?)
この就職氷河期の中、メーカが行ったのは積極的なソフト開発のアウトソースでしたから(誰も言いたがらない「SonyがAppleになれなかった本当の理由」)、今の30代でもソフトを書くことのできる人材はかなり少なくなっていると思われます。
さて、今のメーカ各社は人件費の安い海外の各社と消耗戦を戦いつつ、AppleやGoogleのIT産業と先端技術・サービスの分野でも戦わなければなりません。一方で、戦略としてガチンコ対決を避け、医療分野やエネルギー分野・素材分野に軸足を移している企業もあります。それはそれで正しい戦略だと思います。いずれにせよ、ソフトウェア開発をアウトソースしたツケは重く、今まで通りアウトソーシングして勝つ見込みは無いに等しく、内製可能な体制にいち早く持っていく技術戦略が必須です。それには雇用体系と雇用形態の見直しも必要にならざるを得ないと思います。
(逆に言えば、日本の雇用体系を維持しつつ、今まで経営してきた経営能力というのは、別の意味で能力があったと言えます)
今の時代ハードは外注、ソフトは内製の流れからすると、今あえてCerevoのように「メーカ」を起業するという選択肢もありかもしれません。ソフトのスピードに合わせてハードを調達するというモデルで「メーカ」の再発明をするというのもありだと思います。日本の「モノづくり」を再構築する意味でも。
この平均年齢を調べてるってことをツイートしたら、シリコンバレーの状況を @noritsuna 氏が下記のようにツイートしています。
シリコンバレー(アメリカ)の主流は、医療・エネルギー・農業に遷ってますよ。もう、ITお払い箱寸前。 RT @magoroku15 産業政策の課題になった業種と追うと面白そう。石炭、紡績、鉄鋼、家電、自動車、IT でっ、次が無いのが問題なんですけどね。少なくとも労働集約産業ではない
— Noritsunaさん (@noritsuna) 3月 10, 2012
ちなみに、ITいらない分けじゃなく、裏方になっているので、ご注意を。それらを、支えるのにIT必須なので、例えば、医療だとDNAシミュレーションを、EC2で処理みたいな感じで、組んでやってたりする。
— Noritsunaさん (@noritsuna) 3月 10, 2012
ITサービス産業がすでに一般化して、次の産業のベースになっている感じでしょうか。
ご意見、分析追加あればお願いします...