組込み技術とモバイル技術(2)

ESECでのブースセッションの資料をSlideShareで公開しました。内容は多少変更していますが、だいたい言いたいことはわかるかと思います。

組込み技術とモバイル技術

メーカの開発現場の現状

私は元々は組込み系のエンジニアなので、リアルタイムOSを扱ったり、デバイスをコントロールするようなのは好きです。ただ、時代が変わりビジネスとして成立させるためには、より高レイヤの仕事をやるようにしないといけなくなっているのも事実です。そのため、多くのメーカではいわゆる上流工程に人をリソースをアサインすることで、ビジネスを継続してきました。これは単純作業になる業務を外部に開発依頼することで、コスト削減にとして一定の効果がありました。

 さてこの施策はデバイスドライバや機能の一部を切り出すことで、「機能的に何を作るかが決まっている」場合は効果がありました。つまり継続製品であったり、派生製品である場合に効果があります。

モバイル技術における課題

しかしモバイル技術が主流になると、この効果が期待できなくなってきます。モバイル技術のコアはサービスになります。このサービスというのは機能ではないので、リリース後も日々改善を行う必要があります。ここで言うサービスとは「モバイルアプリも含めたユーザ体験」になります開発自体も改善が前提の開発手法を採用しないとなりません。今までどおりに企画だけ作って、外部に開発委託することになると、

・サービス開発を外部委託

・リリース後の改善も外部委託

さて、これでユーザに満足のいくサービスを提供し続けることが可能でしょうか?サービスがコアだとすれば、致命的になりえます。もっともユーザと対話すべきフロントエンドを外部開発することは、自社のブランド・サービスを丸投げしていることになります。つまりモバイル技術が主流になると

・ユーザとの接点(UI/UX)の改善・サービスの提供を重視
・ユーザ体験の継続的提供

という面を重視することになり、重要なのは機能実装や追加では無くなります。

 技術的には今後モバイル技術だけではなく、Web技術の対応が急務となります。HTML5はブラウザだけに影響する話ではなく、BeagleBoneは組込みボードですがNode.jsがサーバとして動作します。組込みでもハード+HTML5技術は動き始めています。こういった製品分野の動向をちゃんと把握しておく必要があります。

まとめ

組込み技術からモバイル技術が主流になることで、製品開発からサービス開発へ軸足を大きく移すことになります。重要になるのは機能ではなく、ユーザ体験のインターフェースになります。このUI/UXに当たる部分は「最終的に何を作るか決まらない・継続的に改善する」箇所であり、自社内で開発可能な体制が必要になります。組込み開発よりも、エンジニアとデザイナーがエンドユーザの声を聞きながら開発していく。そういうスタイルになっていきます。ここを外部に委託するようだと開発のスピードやユーザ体験を創ることが上手くいかない可能性が高いと考えます。技術的にはHTML5の動向を押さえつつ、プロトタイプの開発から製品・サービス開発までのコアを支えるエンジニアの育成が急務になります。ブースセッションではその辺りの重要性を話させてもらったのですが、思ったより反応が薄く、ちょっと(´・ω・`)ガッカリ…

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