実録!家電メーカがモバイル分野に参入できない理由
実録!Sierがネットゲーム事業に参入できない理由に触発されてカッとなって書いた。後悔はしていなry
研究開発 その1
社員「部長、Androidをプラットフォームとして採用して、サービスとデバイスを組み合わせた製品開発ができます」
部長「AndroidってLinuxだろ。ウチの品証がウンと言わないからダメだ」
社員「…」
研究開発 その2
社員「部長、モバイルプラットフォームで組込み製品を開発することで、100人で作ってた製品が10人レベルで作れるようになります」
部長「余った90人の人たちの仕事はどうするの?」
社員「…」
研究開発 その3
社員「部長、モバイル製品ではJavaやObjective-Cを使うことになります。今後はそういった言語の教育も行いましょう」
部長「現場の開発の人はJava書ける人が居ないから、我社の製品開発に向いてないね」
社員「…」
研究開発 その4
部長「Twitterとかfacebookとかを考慮した製品を考えてくれ」
社員「部長はTwitterとかfacebookでどんなこと書いてるんですか?」
部長「いや、私はアカウント作ったけど、使い方がわからなくて使ってない」
社員「…」
研究開発 その5
社員「AndroidとArudino組み合わせて、サービスとデバイスのプロトタイプ作ってみました。」
部長「既成のハードウェア製品を組み合わせただけだね」
社員「…」
開発現場 その1
社員「課長、Twitterとかへの投稿機能を作るために、オープンネットワークが必要なのですが...」
課長「情報システム部門に稟議書を書くから待ってくれ」
〜 一週間後 〜
社員「オープンネットワークの件どうなりました?」
課長「部長で止まってるな...」
社員「…」
開発現場 その2
課長「社内にモバイルアプリ書ける人材が居ないので、外注することにした。君等は開発管理をやってくれ。ただし、我社の開発標準プロセスを守ること。CMMIのレベル3で頼むよ」
社員「はい、了解しました(管理だけだから問題ないな)」
社員「◯◯会社さん、こういう仕様でお願いします。また開発管理上、書類を作成して下さい。ユースケース図と概要設計のクラス図、詳細設計仕様のクラス図と、シーケンス図...etc、レビューは各フェーズで行います。またプログラマの方の1日の作業量を報告書で提出して下さい」
◯◯会社「…(お断りします)」
開発現場 その3
課長「君等のお陰で無事リリースできた。ただ最初だからか、開発費もコード規模も相当掛かったな。次の開発からは差分開発で楽になるだろう」
社員「そうですね。できるだけコードの修正が無いようにしましたので大丈夫だと思います」
〜 2年後 〜
部長「どういうことだ!最新版では動かないじゃないか。開発は簡単になったんだから直ぐ直せるだろう」
社員「2年前からだいぶバージョンアップされて、今までのコードの修正に限界が来ています。ゼロから作り直ししないと対応できません」
部長「バカ言うな!今までどれだけ開発費掛かったと思ってるんだ。ゼロから作り直すことなど許さん」
社員「…」
まとめ
これらはフィクションです。現場で起こりえる可能性を予想して書いています。モバイル開発と組込み開発は全くの別物と言っていいほど異なると僕は考えています。
- 研究開発での先行検討と教育の導入
- 適切な開発プロセス(個人的には標準開発プロセスは不向きで、動的プロセスとしてチームの責任としてのアジャイルが向いている)
- 開発メンバーの人数
- ソースコードの寿命(2年以内に価値がゼロになる)
これらを勘案しないでモバイル開発を行うのは、デスマーチ一直線の何物でもありません。
(現時点で、思い当たる節を羅列しただけなので、後で推敲する予定)
他にあれば追加するので、鋭意募集\(^o^)/