いわゆる普通の人が職を失う可能性

先日読んだ本「「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト 」で、非常に興味深い部分があったので紹介します。

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)

普通の仕事をしている人が職を失う

この本によると、

グローバル化によってアウトソースを受ける方も、最も優秀な人材はよりクリエイティブな仕事に就くため、 アウトソース用に確保できる人材はあくまでも平均的な職務能力を持っている人材がメインということになる

なぜそうなるか、この本ではこう書いています

海外にアウトソースをする企業からすれば、最も人員数が多い層(平均的な職務能力を持っている層) をそっくり海外に任せることができるし、アウトソースを受ける方からすれば、確保が容易な層に注文が集中することになる

図で書くとこのような形になります(もちろん、こんな綺麗な正規分布にはなりませんが)

f:id:tomo_watanabe:20130128232515p:plain

これは、平均的な能力を持っている人たちの仕事こそがアウトソースされることを示しています。確かに最も人員が居てコスト高の普通の仕事を、まるごと海外にアウトソースすることで、コストダウンを行う。企業的には最もな戦術です。もちろん、日本の平均=海外の平均にはならないかもしれませんが、構造的にはだいたい合っているのではないでしょうか?そしてこれがまさに現在進行形なのが今の日本の構造になります。海外アウトソースじゃなくても、他社へのアウトソースは進んでいたりします。

真ん中の平均的な能力の人たちはどうすればいいのか?

  • 職務能力を高めて「勝ち組」をめざす
  • キャリアをあきらめつつ、自分の能力以下の仕事に甘んじる

f:id:tomo_watanabe:20130128233413p:plain

もっとも後者の方は悪い意味ではなく、別の人生の目標を定める。ということになります。ただし、このアウトソースの領域は左右へ拡大していきますので、左方向への選択をする場合には将来的に厳しい場面になる可能性があります。

まとめ

スローライフを選択したとしても、会社以外での「学習」は大事になるはずですし、もしかしたらそっちが本業になって稼げるようになるかもしれません。つまり、左右どちらを選択したとしても人生的には学び続ける必要があります。

何年か前に「女王の教室」というドラマがありましたが、その中でこんなセリフがありました

(進藤「どうして勉強するんですか、私達。この前先生は言いましたよね。 いくら勉強して、いい大学やいい会社に入ったって、そんなの何の意味もないって。 じゃあどうして勉強しなきゃいけないんですか?」)

いい加減目覚めなさい。まだそんなこともわからないの? 勉強は・・・しなきゃいけないものではありません。したい、と思うものです。 これからあなた達は、知らないものや、理解できないものに沢山出会います。 美しいなとか、楽しいなとか、不思議だなと思うものにも沢山出会います。 そのとき、もっともっとそのことを知りたい、勉強したいと自然に思うから人間なんです。 好奇心や、探究心のない人間は人間じゃありません。猿以下です! 自分達の生きているこの世界のことを知ろうとしなくて、何が出来ると言うんですか? いくら勉強したって、生きている限り、わからないことはいっぱいあります。 世の中には、何でも知ったような顔をした大人がいっぱいいますが、あんなもの嘘っぱちです。 いい大学に入ろうが、いい会社に入ろうが、 いくつになっても勉強しようと思えば、いくらでも出来るんです。 好奇心を失った瞬間、人間は死んだも同然です。 勉強は、受験の為にするのではありません。立派な大人になる為にするんです。」

僕たちはいったいいつになったら立派な大人になれるんだろう・・・(^^;